奨学金と教育ローンの基礎知識

奨学金と教育ローンの基礎知識

奨学金と教育ローンの基礎知識

貯蓄でも、学資保険も準備資金が不足する場合は、奨学金や公的・民間ローンを利用することになります。

教育ローン

日本政策金融公庫が扱っている教育ローンです。

窓口日本政策金融公庫
年収要件あり
融資限度額学生一人につき350万、半年以上の留学の場合は450万まで
返済期間15年以内、母子家庭は18年
金利1.78%、母子家庭は1.38%(2019年4月現在)

その他各金融機関様々な条件で教育ローンを取り扱っています。

原則は教育ローンは親が借りて、親が返済します。

以下に紹介する奨学金は学生がかりて、学生自身が返済します。

金利も教育ローンの方が高めです。

無担保の場合でも10万~1000万円の借入額が一般的。元金据置返済(在学期間中は利息のみの返済でOKとするもの)も利用可能なものもあるが、返済は借入した翌日からスタートするため、負担も考慮する必要がある。

金利も条件によって様々なものがある。

奨学金の種類

奨学金は近年では学校や企業などが様々な奨学金を取り扱っているが、代表的なものは日本学生支援機構(JASSO)が扱っている。

奨学金は学生本人がローンを組むことになります。

奨学金には借りたら返還(返済)の必要がない給付型

返還(返済)の必要な貸与型

の2種類があります。

・貸与型奨学金

日本学生支援機構の貸与型が一般的です。

  • 第一種奨学金・・・貸与を受ける際に利息がかからない奨学金、成績要件あり
  • 第二種奨学金・・・年利3%が上限で利息がかかる奨学金、在学中は無利子で、数種類の中から月の貸与金額を選択する。利息は卒業後に確定する(成績要件は一種よりは緩和されている)
  • 所得連動返還型奨学金・・・無利子で利用できる。第一種、第二種が返済額が一定額なのに対し、所得連動型は最低2000円(月)~所得の一定額を返済に回すという定率タイプ。収入が増えれば自動的に返済額も増える。

第一種の奨学金の要件を満たす必要がある。

当然第一種の奨学金の利用を検討したいところですが、一定の成績基準をクリアしていることが条件。第二種も成績基準はあり、誰でも借りることができるわけではありません。

成績基準について

第一種奨学金については高等学校における申し込み時時点での全履修科目の評定平均が5段階中3.5以上。

第二種については高等学校における申し込み時点での全履修科目の学習成績が平均水準以上であること

貸与額について(すべて月額)、一種奨学金と二種奨学金は併用できます。

奨学金の

 

種類

月額の

 

区分

学校の種類貸与月額
国立、公立私立
自宅通学自宅外

 

から通学

自宅通学自宅外から

 

通学

第一種

 

奨学金

最高月額大学4.5万5.1万5.4万6.4万
短期大学

 

専門

高専

3万、2万4万

 

3万

2万

4万

 

3万

2万

5万

 

4万

3万

2万

第二種

 

奨学金

大学

 

短期大学

専門

高専

3万

 

5万

8万

10万

12万

・給付型奨学金

各自治体や大学で独自の奨学金制度を設けている。

特定の場所で将来勤務をすることを条件にしていたり、学業成績によっては返還(返済)義務のない奨学金の事をいいます。

それぞれ細かい条件が設定してあるので、情報収集をして自分に合ったものを選択するのがよいと思います。

日本学生支援機構のホームページで、大学、地方公共団体で取り扱っている奨学金制度を調べることができます。

また意欲、能力があるにも関わらず、経済的な理由や家庭環境によって進学が極めて困難な生徒に対して、給付型奨学金を用意しています。

給付型奨学金に注目

優れた生徒であって、進学をしたいが経済的困難によって進学が難しい人に返還の必要がない奨学金を給付し、進学を後押しする制度です。

給付型奨学金、日本学生支援機構の申し込みの家計要件

・家計支持者(原則父母)の住民税(市区町村民税)所得割が非課税

住民税非課税世帯とは

・家計支持者が生活保護受給世帯であること社会的養護を必要とする人

・18歳時点で児童養護施設などに入所している生徒、または里親の下で養育などをされている生徒

給付型奨学金、日本学生支援機構の学力要件

・教科の学習で高い成績を収めている

・教科以外の学校活動で優れた成果を収めており、学習で概ね満足できる成績を収めている

給付型奨学金の月額

学校の種類国立(※)公立私立
大学、短大、高専、専修学校自宅通学自宅外通学自宅通学自宅外通学自宅通学自宅外通学
200003000020000300003000040000

※国立の大学に進学をして授業料の全額免除を受ける場合は自宅外通学30000→20000、自宅通学20000→0になります。

また社会的養護が必要な人は24万円が別途支給されます。

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奨学金、教育ローンの使い分け

奨学金は初回の振込が入学後になるため、入学金や入学年の前期の学費等の支払いに当てることができないが、公的教育ローンは入学前から借りることができるため、合格直後に必要な入学金や入学直後の学費の支払いに充てることができる。

そのため、学生支援機構の奨学金と、公的教育ローンを併用で利用することも可能である。

また国の教育ローンをうけることができなかった場合は、学生支援機構は「入学時特別増額貸与奨学金」を用意している。貸与額10万円~50万円の枠から自由に選択ができるが、やはり入学前の資金には受け取れるタイミング上利用することはできない。

奨学金の保証人制度

学生が万が一奨学金を借りて将来返済できなくなったときに、回収できないと日本学生支援機構は困ってしまいます。

そこで、学生がもし将来返済できなくなったときに代わりに返済をしてくれる人を立てる必要があります。それを保証人といいます。

保証人を立てる方法は2通り

連帯保証人と保証人を選ぶ方法

連帯保証人は父母になります。父母がいない場合はそれにかわるもの。

保証人は連帯保証人と別生計で原則4親等以内。(学生の配偶者は不可)

保証機関に保証料を払って保証してもらう

これ以降はFP試験には知識としては不要です。

これ以降はFP試験には知識としては不要です。

奨学金で必ず考えておきたいこと(奨学金は必ず期限を確認)

奨学金は高校3年生になると第一種、第二種ともにすぐに募集が始まります。

第二種は再募集がありますが、第一種は募集は1回のみです。

お子様の段階で第一種奨学金の情報がないように、保護者の方も奨学金募集の日程は知っておいた方が安心です。

また、奨学金は貸与型、給付型いずれにしても入学後しばらくしてから入金になります。

入学一時金などに充当することができないことに注意が必要です。

この入学一時金を用意するためには、金融機関の民間教育ローンを利用することになります。

しかし民間の教育ローンは信用がなければ借りることができませんし、審査に1か月、2か月かかります。

従来の推薦入試のほかに、自分のキャリアや希望などを学校に伝えて入学するというAO入試というものを導入している学校があります。

AO入試はエントリーが早いところは5月からスタートになるため、入学の際の資金繰りについても早い段階で考えておく必要性があります。

奨学金は大学に入った後にもらえるものなので、それからでは遅いケースがあります。

ご両親に借りる、金融機関に借りるなどで入学までの一時金をどのように準備をするのかを早い段階で考えておく必要があります。

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