生命保険の保険料の仕組みはどうなっているの?
- 2019.05.09
- ファイナンシャルプランナー(FP) 医療保険 生命保険

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生命保険の生命保険の保険料の仕組みはどうなっているの?
昨日ふとした会話の中で、使わなかったら戻ってくる医療保険の仕組みってどうなっているの?
と聞かれました。保険の仕組みの詳細についてはその保険会社の商品を扱える資格がないとできませんので、
保険料のおおよその仕組みについて知ってもらいたいと思います。
若い人は保険料を実は払い過ぎている
保険会社が生命保険や医療保険の毎月の保険料を決めるには当然キチンと根拠があります。
もっと他にもいろいろ複雑な要素はありますが、ここでは生命表を例にとります。
厚生労働省の平成29年度発表の簡易生命表をみると30歳男性が10万人いたら亡くなる確率は55人、60歳では601人になっています。
当たり前のようですが、60歳の人の方が30歳の人よりも亡くなる可能性が高いということになります。
生命保険は世の中の人が何と言おうと、公共性の高いものでそれ相応の負担を各人に求めます。
簡単にいえば、亡くなる確率が高い人は高い保険料を払ってください。ということです。
30歳よりも60歳の人の方が払う保険料は高くなります。
しかし生命保険は10年ごとに保険料が上がったり、一生涯保険料が変わらない終身保険というものがありますよね。この仕組みは一体どうなっているんでしょうか。それを表しているのが下の表です。

自然保険料を見てみましょう
自然保険料とは本来もらうべき保険料です。下のグラフの赤線部分が年齢ごとの自然保険料の推移のイメージです。
20歳から50後半くらいまではあまり変わらず、60歳くらいから急上昇していきます。
冒頭の亡くなる率という点でいえば、
30歳の人が亡くなる確率と60歳の人が亡くなる確率を比較すると約10倍の差があります。
30歳の人が毎月3000円の保険料の保険に加入しているなら、同じ内容なら60歳で加入するには毎月30000円払ってもらわないと採算が合わないということになります。
しかしこれではあまりにも高すぎます。
そこで、保険会社は平準保険料というものを設定し、高齢者に著しい負担が行かないように保険料を平準化して、これを毎月の保険料を考えるベースにしています。
終身保険が一生涯保険料が変わらないのはこの平準保険料を採用しているからです。
若い20代のうちに例えば10年間の定期保険に加入をすればさほど高齢者までの保険料を考える必要がないので保険料は極めて安くなります。
しかし65歳くらいから10年間の定期保険に加入をしようとするとその年の保険料で金額を計算するので20代の時とは比べ物にならないくらいの保険料になります。

また保険料は保険期間が短いほど保険料を安くすることができます。終身保険は高齢者になったときの保険料も込みで考えるので毎月の保険料は高くなります。
自然保険料と平準保険料の差が解約返戻金

本来もらうべき赤い線の自然保険料と、実際の保険料のベースとなる平準保険料に差があります。それが上記表の赤いマルの部分です。ここは保険料を払い過ぎている状態です。逆に高齢者のところにある青いマルは保険料が不足している状態です。
ほんとうは若い人はもっと保険料が安く、高齢者はもっともらわないといけない。
しかしそれではあまりにも高齢者がかわいそうなので、若い人からちょっと高めに保険料を払ってもらって高齢者の保険料の不足分に充当しよう。終身保険はこのような構図になっています。
若いうちから払い過ぎている保険料、これが解約した時にもどってくる解約返戻金の正体です。
若いうちに生命保険に入るのは損ではない!
この表をみて、えーーじゃあ若いうちに保険に加入をするのは保険会社を儲けさせているだけ?
とは思わないでください。むしろ高齢者になれば医療保険を使う頻度が高いので、年を取ってから入るのは割高というようにとらえてください。むしろ若いうちは極めて保険料が安く、老後の保障を準備できんだと考えていただきたいです。
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