進む食品ロス対策|食品ロス削減法が成立
- 2019.05.31
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進む食品ロス対策|食品ロス削減法が成立
食品ロス削減法が成立しました
その日の食べ物にも困っている多くの国があるにもかかわらず、日本は賞味期限切れ食品の廃棄が事業者の大きな負担にもなっているという問題が発生しています。
食べ物がほしくてたまらない人もいるのに、処分をするためにお金をかけその金額で困っているというこの不均衡。じゃあ困っている人にあげれば?という話もありますが、法律なども関係でそう簡単にできないのが現状です。
そんな中、参議院で食品ロス削減法案が参議院で可決、成立しました。
国だけではなくて一人一人がもったいないという意識を持ちましょうということを訴えかける内容になっています。
そのような最中、何かと最近話題になるコンビニ業界ですが、営業時間の問題からいろいろ本部に対して意見が言えるようになり始めました。
こういった環境が後押しをし、今回は食品ロスについての問題がクローズアップされています。
ずっと話題になってこなかったのが不思議なくらいですが、要するにコンビニエンスストアのお弁当や総菜などの賞味期限のお話です。
コンビニエンスストアのお弁当や総菜などは店頭にいつまでも並んでいるわけはありません。賞味期限があり、それを過ぎればどうなると思いますか?スーパー等は値引き販売をしているところもありますが、コンビニで値引き販売ってあまり見たことがありませんよね。
価格を決定する権限はコンビニの店舗にあるのですが、ブランドイメージをコンビニ本部は崩したくないので、値引き販売は店舗としてはやりにくいという側面がありました。
私自身もかなりの件数のコンビニでのアルバイトを経験しましたが、今も変わっていなければ、賞味期限が規定の残り時間になったら基本的にはお店から撤去します。
そのお弁当の賞味期限が2019年3月1日 20:00なら、
2019年3月1日の12:00に撤去する。
という具合です。この賞味期限きっちりに撤去しているわけではありません。
食品スーパーなどではこれも暗黙の了解かもしれませんが、
賞味期限の3分の1を過ぎた食品は、店舗ではそもそも受け付けない。←納品させない。
3分の2を過ぎたら店頭から撤去。
このようなルールが常態化しています。
これ実はお弁当や総菜といったものなら、回転(納品から販売までの期間のこと)が早いので問題ないかもしれません。
しかし、チーズのような珍しく高単価な商品はあまり購入頻度が高くありません。
あまり売れないけど、品ぞろえとして持っていなければならない商品というのも実はたくさんあるのです。これが店舗では非常にネックです。
賞味期限の3分の1というのは、メーカーや卸売りが保管している間に過ぎてしまうことがあります。店舗に納入されることなく廃棄されていることもあるのです。
賞味期限が2日や3日ならまだわかります。
しかし、賞味期限半年、1年という商品もあります。
こう考えるとどうですか?
1年ある商品なら、残り8カ月も賞味期限があるのに店舗に納品さえしてもらえません。
その商品はどうなると思いますか?
・・廃棄されます。
またはそのような商品を集めて、たたき売りをする店舗があるのでそのような店舗に並ぶことになります。
季節もの商品も食品廃棄につながる
恵方巻、クリスマスケーキやチキン等、おせち料理等その時期を過ぎたら、店頭にならんでいるのはおかしな商品もありますよね。
これらの商品も大量廃棄の要因になっています。
上記のようなイベント性の高い商品は、小売りは欠品による売り上げ損失を非常に嫌います。
クリスマスケーキがバカ売れしている最中に、ケーキが売り切れして無くなった!ということが発生すると、お店の信頼もなくしますし、発注担当者は店長は本部あたりから激怒されます。
こうならないために皆さんならどうするでしょうか?
はい、多めに発注します。
一応過去の実績などもみて、今年はどうなんだろうと考えて発注はするものの多めに発注する気持ちもわかると思います。
すると、当然多めに発注するわけですから残る→売れ残る→処分という流れが発生します。
恵方巻の大量廃棄の問題はテレビなどで見た方も多いと思います。
過度な欠品に対しての管理も問題です。
企業にとっては、イベントの売上というのは非常に重要です。
しかしそれと引き換えに、食品の大量ロスを生み出していることはもっと早く問題視するべきでした。
ちょっと話がそれてしまいましたが、コンビニについても同様です。
コンビニ各社の食品の廃棄物量はセブンイレブン5.8万トン、ファミリーマート4トン、ローソン4.6万トン。
大きすぎてわかりにくいので、1日当たりの1店舗当たりに換算すればセブンイレブン74キロ、ファミリーマート62キロ、ローソン52キロ。
なぜこれをそのまま放置しておいたのか、、
残念ながら食品に対しての廃棄を企業として考えなければ!という使命感からこの問題に着手したわけではないのです。
コンビニが24時間営業を今後も継続していくには人手不足から難しい。コンビニ本部が各店舗の店長とやり取りを図る中で、ようやく着手しなければならない問題ということに気づいた。
というよりも今まで本部が押さえつけられて、何も言わせてもらえなかった店長たちが、マスコミで注目されはじめ、株主総会やテレビインタビューなどで本部についてのおかしな点が次々と明らかになり、やらざるを得ない状況になったので着手したといった方が正解かもしれません。
食品ロスはどれくらい発生している?
以下は家庭用、事業用でどれくらい食品ロスが発生しているかを見たグラフになります。
あまりにも単位が多すぎて逆にピンとこなくなってしまうかも知れませんが、膨大な食糧が廃棄されています。
事業者の廃棄理由を見てみましょう。
食品小売業の賞味期限や作りすぎ、外食産業の食べ残しなどが目立ちますね。食べ残しもこの記事の最後に少しふれますので覚えておいてください。
本部はとにかく工場見学へ行け!
食品の導入については、どのような製造過程でその食品が作られているのか?
コンビニのプライベートブランドになっている商品は、クレーム等がコンビニ本部に直接きたり、開発の売れ行きそのものも本部に責任が強いので工場見学は積極的に行われます。
それ以外の取り扱っている商品も極力足を運んで、工場見学に行けば見えることはたくさんあります。
私自身も冷凍食品の取り扱いを扱っており、食品メーカーの工場に行くとただ単に製造技術がすごいね!とかこうやって作っているんだね!というようなことだけではありません。
自分たちが思っている以上に製造工場は製造者の生活の支えになっています。
オートメーション化が進んでいると気が付かないかもしれませんが、必ず人の手が必要な工程があります。
地元から毎日向上に通い、延々と単純作業を行います。工場は自分たちが想像している以上に大量の商品を製造しているので、定められた休憩時間以外は全く休む暇はありません。
現場では、従業員が日々業務を改善していくためにどうやったら異物混入を防げるか?クレーム商品を減らすことができるのかを考えて、黙々と日々作業をしています。
日々自分の家族を支えるために皆さんは毎日コツコツ働き続けています。
地味な改善や作業を毎日継続している人がいるから製品は毎日絶えず、安心して私たちの手元に届きます。
そして小売りや卸では余った賞味期限を一定期間過ぎた商品は、ブルドーザーのような什器で大量に廃棄されていきます。
仕方ないとはいえ、私は食品会社にいたときこの光景は本当に心が痛みました
AIにとって代わる部分も今後は多いかも知れません。
オートメーション化してしまったら、そのようなありがたみも薄れてしまうかもしれません。AIやロボット化が今以上に進む前にこのような問題が表面化し、取り組みがスタートしてよかったと思っています。
消費者も人ごとではない
先ほどの事業者の理由別の食品ロスの中で、食べ残しという点も理由としては大きいことがお分かりいただけたと思います。
居酒屋やホテル等が特に顕著だと思いますが、そもそも食べきれない量を注文しているケースもあります。おひとり様でもない限り、残さないような注文方法を考えることはそんなに難しいことではないはずです。
私たち消費者も、食品ロスを減らすために注文の仕方を考えたり、小さなことですが牛乳や、豆腐を後ろから取ったりするのは食品ロスを発生させる原因になります。かなり小さな一歩ですが、食品ロスへの取り組むは社会全体で考えるべき問題だと思います。
カルビーは対策として、調理方法を工夫して賞味期限を延長したり、賞味期限を日にち単位ではなく、月単位に変更したと発表しましたね。今後もこのような活動が推進されることを希望します。
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