自転車保険の義務化にむけて・・加入にあたり注意するべきこと
- 2018.10.12
- リスクと保険
Contents
自転車保険への加入を義務付けする自治体が増えています
自転車保険への加入義務付けをする自治体が広がってきています。
47都道府県と20政令都市のうち12自治体が義務付け、13自治体が努力義務となっています。さらに今後もこの流れは広がると思われます。
おそらくこの流れは各自治体の判断にゆだねられているものの、いずれは全ての都道府県、政令都市に広がるのも時間の問題といえそうです。
自転車保険ってそもそも何なんですか?
自転車に保険をかけるって一体どういう意味ですか?
人によってはいろんな解釈ができます。
①自転車に乗っていて自分がケガをした
②自転車に乗っていてガードレールにぶつかり、自転車が破損した
③自転車が盗まれた
④自転車に乗っていて、相手にケガをさせた
⑤自転車に乗っていて、店舗の看板を壊した
①~⑤の中で、自転車保険でカバーできるのはどの部分なのでしょうか?
一般的な自転車保険は④、⑤を差します。また、義務化される項目も④、⑤だけカバーできていればとりあえず求められている最低限の補償はカバーできています。
④と⑤は実は非常に難しい保険種目で、相手にケガをさせた、相手の物を壊して法律上の賠償責任が生じた時に払う金額をカバーする保険です。
賠償責任保険の具体例
具体的には、自転車に乗っていて通行人にケガをさせてしまった時の治療費などを払う必要があります。
この金額を保険で賄うケース。
ところが近年ニュースの中で、スマホをいじりながら自転車を運転し相手が亡くなってしまったという事故が数件起きていますよね。
この場合、亡くなった人が一家の大黒柱だったとしたらかなり問題です。
運転していた時に明らかにスマホをいじったりイヤホンをしていたりした場合、被害者側に過失が認められない場合があります。
例えば40歳で年収600万円のサラリーマンAさんと自転車でぶつかりAさんは亡くなってしまいました。
家族がいた場合、その家族はこのAさんがいなくなることで無収入になります。
ということは年収600万円のサラリーマンがあと60歳で定年まで働いていたらえられていたであろう収入をなくしたということで、加害者は弁償しなければなりません。
600万×20年=1億2千万
実際はここまでまるまる認められるケースは無いとは思いますが、被害者側は単純計算で請求してくる可能性はあります。
後はどこまで支払うかというのは基本的には被害者と加害者の話合い。話し合いが難しければ裁判ということになります。
裁判をして、妥当な金額を定めていくことになります。
これは人にケガをさせたり、亡くなってしまったケースです。
もうひとつ相手の物を壊してしまうことがあります。
自転車でホームセンターの駐車場を走っていたら、外車にこすって傷をつけて修理代を請求された。
こんなケースもあり得ます。
とにかく一般的にいう自転車保険といわれているものは、相手にケガをさせた、亡くなってしまった。相手の物を壊したという賠償責任をカバーする保険になります。いいかえれば相手に与えた損失を、保険で支払うというものです。
賠償責任保険は単体で扱っているケースは少ない
義務化されているんならすぐに入らなきゃ!!と言いたいところですが、実は賠償責任保険に個人で加入する場合、それ単品で加入できる商品はあまり世の中にありません。
au損保が有名ですが、基本的にはみなさんが加入している自動車保険の特約につけたり、火災保険の特約につけたり、ゴルファー保険にもついていることが多いです。保険金額1億円の賠償責任保険でも月数百円程度の保険料で済みます。
自動車保険、火災保険、ゴルファーなどの特約の名称としては「個人賠償責任保険」、「日常賠償責任保険」という特約名になっています。業界の人は個人賠償=「コバイ」なんて言ったりします。
ただし、今後加入する流れが広がり、保険金の支払いが増えてくるとこの金額は上昇していく可能性があります。
実際に賠償責任保険は値上がり傾向にある最中です。
一般的に自転車保険と言われたら、前述の④と⑤だけなのか?
それとも自分がケガをした時の①の補償内容もついているか?
自分の自転車が壊れたり、盗まれたときの保険前述の②、③まで補償されるものなのか?
どこまで補償されるのかをキチンと押さえておきましょう。
自転車保険って自分の思っていたのと違う!!ということがありませんように。
一家に一契約あればよい
この賠償責任保険は一家に一契約あればいいんです。
たとえば夫Aさんの自動車保険の特約に前述の「個人賠償責任保険」がついていれば、同居の親族であれば全員が補償の対象になります。
同居していれば大丈夫です。
ただし、Aさんの子どもは注意が必要で子どもは結婚している場合は一般的には保険の対象外になります。
結婚している子ども(結婚歴がある場合も含む)は注意してくださいね。
結婚歴なんて実際わかるわけでもないのですが、万が一発覚すればトラブルになりますので注意しましょう。
要注意していただきたいこと
自転車保険=日常賠償責任保険、個人賠償責任保険
という扱いでお話をしてきましたが、
例えばau損保等は、一家に一契約ではなく、
本人しか基本的には補償せず、オプションで家族も含める(保険料はさらに高くなります)
ですとか、自転車の事故しか補償しない、
下記に記すような一般的な賠償責任事故を補償するためにはやはりオプションを
付けないといけない(保険料はさらに高くなる)場合がありますので注意してください。
ただ、今回義務付けられ始めている自転車保険という要件はau損保の内容でも満たすことはできます。
しかしせっかくなので、よくここも考えていざというときにしっかりカバーできる補償範囲になっているか確認しておきましょう。
- 前の記事
世界同時株安は続くのか?今後の展開について 2018.10.12
- 次の記事
FPに保険を相談するメリットは? 2018.10.14