保険営業の年収(給料)の仕組み

保険営業の年収(給料)の仕組み

保険営業の年収(給料)の仕組み

生命保険の営業の平均年収はおおよそセールスレディで400万~500万。外資系なら700万位といったところでしょうか?

ただあまりにもピンキリすぎてこの平均で判断するのは禁物かと思います。

そこで今日は、

一件売るといくら懐に入るの??

という営業の手数料のお話です。

銀行の窓口販売で手数料開示が求められていることもあり、この辺は非常に興味深い問題だと思います。

保険会社の手数料の前に、「保険料」と「保険金」の違いを理解することが必要です。

「保険料」と「保険金」の違い

「保険料」は保険に毎月払うお金のことです。

「保険金」は万が一のことがあった時に受け取れるお金のことです。

保険会社によって保険料ベースで手数料が決まる会社と、保険金ベースで手数料が決まる会社があります。

具体例で話をしたいと思います。

「保険料」ベースで手数料が決まる会社の場合

保険会社や保険種類によっていろいろですが毎月払うお金の3割~5割が最初の1年は手数料だと思ってください

(一時払いの商品は手数料低かったりいろいろありますので、やみくもに儲けている!ようなイメージは持たないようにしてくださいね!!)

具体的には、毎月10,000円払う保険に入っている場合。

保険の営業に入る手数料は最初の1年間は3,000~5,000円位。

それ以降2年目~4年目まではだいたい800円~1,200円位毎月受け取ることができます。

それ以降はもうこの保険では手数料を得ることはできません。

何年か経って保険の切り替えしませんか??という提案があるのも5年以降は手数料にならないから・・かも知れません。

ちなみに10年定期保険が満期になって更新をした場合、それはまた新たな契約とみなされ前述した1年目の手数料がまたもらえるようになります。

更新を繰り返せば、保険の営業は長く続けてさえいれば収入に困ることはありません。

000円から5000円の手数料の契約を積み重ねていけば100人1年間で作れればその人の月収は30万~50万になる。という仕組みです。当然ここから社会保険料等がひかれます。

ただし2年目~5年目は一人の顧客から得られる手数料はぐっと下がり、6年目以降はありませんので保険の営業は顧客を取り続けなければならない・・のです。

ちなみに1人の顧客から5年までしか手数料を得られないというのは一般的な例で、お客様が解約しない限り手数料を受け取れる方法を選択する方法もあります。

選択云々よりそもそもその手数料体系しかない保険会社もあります。

また毎月保険料を受け取る場合のお話をしましたが、1年間まとめてお客様が保険料を払ったケース、一括で保険料を全部払ってしまったときなどはまた特別な扱いになります。

「保険金」ベースで手数料が決まる会社の場合

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Maklay62 / Pixabay

前述のケースは毎月払う保険料で収入が決まるのですが、保険会社によっては高い保険金の商品を販売すると手数料が高くなる会社があります。

これも具体例をいうと

仮に保険金3000万円の定期保険を販売しました。

一般的には保険金額の約0.3%が手数料になりますので、3000万×0.3%=90,000円の手数料が12カ月に分けて受け取ることができます。

毎月の保険料をベースに給料が決まる保険会社と、どれだけの万が一の保険金をつけたかで給料が決まる会社があるということです。

だから何なのよ!!報酬をもらうのは当たり前でしょ!!ちゃんと働いているんだから。

もちろんです。しかし提案する商品にどうしても偏りが出てきます。

「保険料」ベースで手数料が決まる会社は、毎月の保険料単価の高い終身保険を販売したがります。

「保険金」ベースで手数料が決まる会社は、高額な保険金で安く販売できる定期保険を好んで販売します。

いま考えると、私はまんまとこのような保険に加入してしまったんだな。と思います。

ちなみに

保険代理店の営業の収入は?

たくさんの保険会社の扱いがあるような場合は、それぞれの保険会社のルールに基づいて販売手数料が保険会社から代理店に支払われます。

またその保険代理店の規模によって同じ商品を売ってももらえる手数料が異なります。

規模が大きい代理店ほど手数料は高くもらえるように設定されています。

A社はたくさんA社の商品を販売しているB代理店には手厚く手数料を払って、あまり販売していないC社には手数料は低く設定しています.

同じ商品を販売しても露骨に手数料に差をつけるのです。

ただあくまでも代理店の場合は保険会社から代理店への支払いになるため、その手数料を保険代理店がどのように社員に配分しているかにもよります。

必ずしもとった保険の手数料が担当営業に直結しているわけではありません。代理店の営業社員の給料は会社の規則によるといえます。

ただ、その営業の業績によって変動するところは通常の保険の営業と変わりありません。

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pitango / Pixabay

保険営業の業界用語「P」、「S」とは

保険業界で、保険金や保険料を表す言葉で「P」と「S」といったりします。たんじゅんにピー、エスといいます。何かというと保険業界用語で「P」は保険料です。保険料毎月10,000円の保険を「月P10,000円」(つきぴー一万円と読みます)と言ったりします。Premiumの「P」です。

保険金は「S」と言います。sum insuredの「S」です。

S(えす)3000万の定期保険を提案したら、お客に高いといわれたよーー。

みたいな使い方をします。

また手数料の計算方法は保険会社によって異なります。一例をご案内しただけであることをご了承ください。

生命保険営業の年収はこれが分かれば推測できます

これから保険の営業に参入しようとする人、勧誘されていて保険会社に一歩踏み入れるのを躊躇している方。

こんな計算をしてみてください。

月の保険料ベースで収入がきまる保険会社の場合は10000円/月の保険料でおおよそ自分の収入は30~50%です。

そうすると、3000円~5000円。

これが100人になれば30万~50万になります。

これくらいの契約を積み重ねることができるかをまずは考えてください。

最初は保険会社も20万から30万の固定給を用意してくれるので、(保険会社によってこの固定給を用意してくれる期間やしくみは異なります)短期間で自分の生活が維持できる顧客を確保することが保険営業で成功する秘訣です。

これから保険会社で働こうと思っている人は手数料の仕組みを聞いて、採算ベースに早めに乗せるほどの顧客を確保してからの転職がベストです。(資格を取るまでは具体的な保険の話をしてはいけません(私保険の仕事やるとしたら入ってくれる?くらいの話にとどめましょう(当初はもちろん保険入るよと言ってくれた人も、実際にスタートしたら裏切られることもありますので悪しからず・・)

保険営業は短期で解約されると、給料を引かれてしまう

いくらくらいの保険料または保険金の契約を取るかにもよりますが、おおよそ1000万の年収にするためには1年で300人くらいの顧客を見つける必要があります。

ちなみに法人の保険で年間1000万の保険料を預かったりすると、翌月の手数料(給料)が200万や300万。

どかーーんと入ったりします。その代り1年後に解約されたりすると、どかーーんと給料から差し引かれます(笑)

ただ、なんだかんだ入る金額は大きいですから保険の営業が法人を追いかけるのは分かりますよね。

そして保険を短期でやめさせたくない理由もわかりますよね。

契約して早々に解約されると給料がマイナスになってしまうので、みんな解約させまいと一生懸命なのです。

経費は全部自分もち

保険の営業は確かに収入は多いです。しかし、全部経費は自分持ちです。

営業車も貸してくれるわけではありません。

始めたばかりの人は普段自分が乗っている車がそっくり営業車になります。

ガソリン代、電話代、手紙を出すにもハガキのお金、お客様の祝電や弔電、自分が保険セミナーやるぞ!と思い立っても会場費や集客に使うチラシ、デザイン代・・要するに全部自分持ちです。(個人事業主と同様で確定申告はしますが)

でも売れるとこんな楽しい仕事はありません。自分なりのパターンができるまでは、契約が取れると見込み客が一人減るので不安。

今月調子がいいと来月見込み客がいなくて不安。

来月の活動費がない・・いろんな不安が付きまといます。

保険の営業は積み重ねです。

我慢すればだれでも顧客が増えれば収入も増えて成功するのです。

それまで我慢するか、めちゃくちゃに頑張って早々と頂上に上り詰めるか?

大体営業で超絶成功しているのは後者ですが・・

決して楽ではありませんが、成功すれば大きな収入を手にすることは決して嘘ではありません。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP