借地権について
- 2016.01.02
- FP 独学 ファイナンシャルプランナー
借地権
建物の所有を目的として、土地を借りる権利の事を借地権といい、借主を保護するための目的でつくられた法律。
借地権には「地上権」と「土地賃借権」があり、地上権は物権、土地賃借権は債権です。借地権は借地権の登記が無くても、借地上の建物の登記をすれば第三者に対抗することができます。
※物権と債権の違い
1、物権が直接ものを支配する権利、債権は人(債務者に行為を請求する権利)
2、物権は全ての人に主張できる。債権は債務者に対して主張することができる
3、物権は排他性がある。債権は排他性がない。排他性があるとは、排他性があれば侵害されると強制的に取り返すことができる、排他性がないと侵害されても強制的に取り返すことができない。
平成4年7月31日までに設定したものを旧借地権(旧法)といい、平成4年8月1日以降に設定されたものを借地借家法(新法)という。借地権には更新があるが、旧法で契約をした場合は更新時にはまた旧法の内容が適用される。
普通借地権と定期借地権
借地権には普通借地権と定期借地権があります。
①普通借地権
普通借地権の存続期間は30年であり、仮にこれより短い期間をさだめたとしても30年となる。
一旦契約期間が満了した後は1度目の更新は20年。それ以降の更新は10年が契約期間となる。お互いの同意があればこれ以上の期間を設定することも可能。用途に制限はなく、普通借地権終了時は更地にして返還する必要がある。
普通借地権の存続期間が満了する際に、建物が存在している場合に借地人が契約の更新を請求した場合は、従前の契約と同じ条件で契約を更新したとみなされる。これを法定更新と言います。
この際に地主が更新を拒絶するためには、正当事由に基づいて遅滞なく意義を述べなければならない。
正当事由とは、借地人の賃料の不払いなどの債務不履行が該当します。
借地契約の更新をしない場合は、借地人は建物を時価で地主に買い取ることを請求することができます。(建物買取請求権)
②定期借地権
契約時に定めた契約期間で借地関係が終了する借地権で次の3種類があります。
存続期間のあとの更新はありません。普通借地権の説明を見ると、正当な事由が無い限り、法定更新を拒絶することができないため、一旦土地を貸すと貸主に土地が帰ってこないということになり、土地を貸したいと思う人が少なくなり、土地の有効利用が推進されないことからこのような法律ができました。
定期借地権 | |||
---|---|---|---|
一般定期借地権 | 事業用定期借地権 | 建物譲渡特約付借地権 | |
残存期間 | 50年以上 | 10年以上50年未満 | 30年以上 |
借地の利用目的 | 制限なし | 事業用 | 制限なし |
契約の形式 | 公正証書 | 公正証書 | 事実上書面 |
特徴 | 期間満了時に更地にして土地所有者に土地を返還する。契約の更新、建物の建築による残存期間の延長はない。建物買取請求もできない | 期間満了時に、更地にして土地所有者に土地を返還する。契約の更新、建物の建築による残存期間の延長はない。建物買取請求もできない | 期間満了時に、土地所有者は建物を買取ることで借地関係が消滅する |
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