三菱電機の労災認定の事件を機に、うつ病の労災について考えておくべきこと

三菱電機の労災認定の事件を機に、うつ病の労災について考えておくべきこと

うつ病の労災認定ということでより大きな問題になりました

三菱電機の男性社員5人が数年間にわたって長時間労働が原因で精神疾患や脳疾患を発症し、労災認定され、そのうちの2人は過労自殺をしていることがさらにわかりました。

三菱電機のケースでは裁量労働制を当初採用しており、

ちょうど今議論が交わされている問題であるためさらに大きな話題になりました。

うつ病などの過労による精神疾患でも労災が認めれることが一般的になり、企業のメンタル面での社員のサポートは必要不可欠になってきています。

例えば工場のラインで社員がケガをしたとします。

ケガの治療費だけならまだよいのですが、

本来そのラインで危険が起こりやすいとわかっていながら、企業としてそこを放置した。

すなわち、

社員が安全に職務を遂行するための企業努力を怠った。

安全配慮義務違反という点

を追及されると

企業は思わぬ賠償金を社員や社員の遺族にまで支払う必要が出てきます。

しかし、さらに労災認定を受けた事例がうつ病などの精神疾患になるとさらに企業としての体質を問われます。

安全配慮義務違反を追及されるよりもさらに、企業にとっては痛手になる可能性が高いのです。

近年では仮に自らの手で亡くなった場合は、その遺族が企業を訴えるケースが増えてきています。

このようなときに、遺族への慰謝料を請求されると企業側の支払い額は億単位になることがあります。

どんなに大きな企業であっても、これだけの金額を請求されれば痛手を受けることは間違いありません。

使用者賠償責任保険(EL保険)で備えられます

企業は社員が業務遂行中や通勤途中でケガをした場合、労災に加入をしなければいけないのでいざというときはこの労災を使えばいいのではないか?と考える人もいるかもしれませんが、労災は金額が限られており万が一ではありますが億単位の慰謝料の請求があったりすればとても、労災の金額だけでは賄うことはできません。

その労災では賄えない超えた分を使用者賠償責任保険でカバーすることができます。

使用者賠償責任保険を支払う要件は労災認定を受けていることが要件ですが、精神疾患が原因の場合は使用者賠償責任保険の保険金支払い対象外としている会社もありますのでよく確認をしましょう。

民間の保険会社単独で扱っている商品よりも、商工会などで扱っている業務災害保険の方が圧倒的に価格が安い場合が多いです。補償範囲も、広いので加入している商工会などに問い合わせをしてみるとよいでしょう。

この業務災害保険の中に、使用者賠償責任保険特約というものがあり、遺族からの訴えなどの慰謝料や弁護士を要した場合の訴訟費用や弁護士報酬等もこの保険でカバーすることができます。

保険商品に含まれているサービスにも注目

労災の保険で備えておくのは良いことですが、何よりもこのような労災事故はないのが一番です。

企業単独で備えるにしても忙しい事業主はどのような備えをしておけばよいのか?全く分からないということもあるかもしれません。

業務災害保険のプランの中には、社員のストレスチェックや、メンタルヘルスに関する電話相談など様々なサポートが付いています。これらを利用して、どのような備えをしておけばいいのかということを相談して備えておくのが一番の近道です。

特に社員が一定数の場合はストレスチェックが義務付けられています。必ずこの保険会社のサービスが義務化の要件を満たしているわけではないのですが、備えるため、社員のメンタルヘルスについて考えるきっかけにするという意味でも利用できます。