フラット35の仕組みをわかりやすく

フラット35の仕組みをわかりやすく

フラット35の仕組みをわかりやすく

夢にまで見たマイホーム。人生で1,2を争う高価な買い物になります。

一括払いで家を購入できればいいですが、なかなか手元にそこまで現金で持っていることってないですよね。

あったとしても、一体何歳になることやら・・みたいな話になってしまいます。

そこでほしいと思ったときに検討できるように、住宅購入費用を金融機関等からかりて、数十年にわたって返済していくという方法・・すなわちローンを選択してマイホームを購入する人がほとんどです。

ローンで一番気になるのはその金利ですが、一度ローンで融資を受ければ金利が変わらない固定金利と、経済情勢によって金利が定期的に変動する変動金利があります。

フラット35は固定金利のタイプで、世の中の金利が低いときは固定金利のフラット35は非常にローンの中では有効な手段と言えます。

フラット35の位置づけ

フラット35を含む住宅ローンは以下のようなところで申し込みができます。

住宅ローンの種類
  1. 民間住宅ローン・・・民間の銀行
  2. 企業内で特別に作成されている融資制度・・・公務員等に主に用意されています。非常に民間の金融機関に比べても条件が有利に設定されています。
  3. 公的住宅ローン・・・お勤めの企業の財形住宅融資制度、「住宅金融支援機構」の扱っているフラット35が該当します。

各住宅ローンの特徴

①民間住宅ローン(銀行、信用金庫、信用組合、JA等)

  • 借り入れ限度額が大きい
  • 物件に対する条件は緩やかだが、個人の信用力には厳しい
  • 金融機関の商品数が多い
  • その他給与振込口座に使用すると割引があったり、キャンペーンなどで同金利タイプの商品でも適用金利が異なることがある。

②社内融資

  • 勤務先ごとの独自の融資であり、勤務先によって融資の条件、内容等が異なる。

③公的住宅ローン(財形住宅融資、自治体融資等、フラット35)

  • 金利は比較的有利だが、物件に対する条件が厳しい
  • 借入額には制限が一定の制限がある。
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image4you / Pixabay

フラット35は公的住宅ローンの代表例

まずフラット35の最大の特徴は

「全期間固定金利」

ということです。

その他「変動金利」「期間選択型」などいろんな種類がありますが、それはここでは割愛して「全期間固定金利」というのは、一度融資実行時に融資がされたらその時の金利は経済情勢がどうなろうと変わることはありません。

住宅ローンを決めるにあたって、多くの人が30年以上の長期のローンを選びます。

それだけの長い期間、世の中の経済情勢で住宅ローン金利が変わらないと断言できますか?

「全期間固定金利」タイプの住宅ローンなら、住宅ローン金利が上昇したらどうしよう・・という心配をする必要がないのです。

一般的には半年ごとに金利情勢によって見直しをする変動金利のほうが金利が安いとされています。

なぜなら変動金利なら、金融機関が当初借入時に住宅ローン金利を約束しても、値上げ幅に上限はあるものの経済情勢によっては当初決めたはずの金利に上乗せすることができるのです。

変動金利は金利上昇のリスクは借り入れしている顧客が負うことになるため、金融機関は金利は低く設定することができます。悪い言い方をすれば、金利が上がったら、顧客のローン金利に転嫁しちゃおう。その代り基本は金利は低くしておくよ。ということです。

ところが貸出し期間中金利が変更できない固定金利はいったん住宅ローン利用者にお金を貸したらその後経済情勢がどうなろうと金利を上げることができません。

金利上昇のリスクは借り入れしている顧客ではなく、金融機関が負うことになります。金融機関はその時の経済情勢で金利が上がっても、顧客の住宅ローンに転嫁できないのです。固定金利を扱うのは私たち(金融機関)はこわいのでちょっと金利高めでお願いします。ということです。

したがって、貸出し当初には変動金利よりも固定金利のほうが金利は高めに設定するのが通常です。

固定金利よりも変動金利の方が金利は低いはずですが、細かい話はここでは抜きにして、その固定金利が変動金利並みに下がってきているのです。

変動金利と固定金利の金利が逆転することは考えられませんが、この金利差がきわめて小さくなってきているのです。

だからこそフラット35は注目が集まっています。

フラット35の金利は、「固定金利」の基準となる10年物新発長期国債の金利が基準になります。

これまでは上がる上がるといわれても下がり続けてきましたが、低金利は今も継続してしまっています。

フラット35はオススメか?

変動金利をこのような状況下で選択すると、金利上昇のリスクにさらされてしまいます。

借りた当初は金利が固定金利よりも安いから・・とおもって借りたのに年数がたったら経済情勢により金利が上昇。払い終えてみたら支払が全期間固定金利の方が少なかった・・ということもあり得るということです。

ただここまで金利が上昇せず、低金利が恒常的に継続しているのであれば、固定金利を選んでもいいのかなと思っています。従来以上に経済情勢は混沌としているので、フラット35は金利が上がらない安心感と引き換えに検討する価値は十分あり、オススメと言えます。

フラット35の商品特徴

転職したばかり、自営業者、派遣社員、パート、年金受給者でも利用できる

勤続年数の最低期間を設けていないためです。

ただし開業したばかりの一度も確定申告をしていない人は×です。

年収合算できる

自分の信用だけでは借入希望額に届かないときは、パートの奥様やお子様の収入があればその収入を合算することができる。

例えば、ご自身の年収が300万で借入上限が約2600万までしか借りれないとします。

もう少し借入額を増やしたいというときは、奥様がパートで100万の年収があったとしたら、ご自身+奥さんの年収で400万となり、約4100万までの借り入れが理論上は可能となります。

ただし専業主婦で全く年収がない方は当然合算しても意味がありません。

※この事例はあくまでも参考です。個別の案件については確認をお願いします。

また、この事例は借り入れ可能な上限に近い金額です。

返済ができるかどうかを度外視している金額ですので、事前に必ず返済計画を立てて、返済可能かをご自身で検討してください。

親子リレー返済ができる

フラット35は70歳以上でも借入ができます。

しかし、当然毎月の負担は大きいですし、借りられる期間も制限されます。

そこで自分がまずは最大で設定できる5年で返済し、その後は子どもがローンを払う。という親子リレー返済という方法ができます。

なおかつ親と子で収入合算できるので、借入額を増やすことができます。

さらに、親と子が同居している必要はありません。

この親子リレー返済を使えば、高齢の方でも30年や35年といったような長期の住宅ローンを使うことが可能になります。

【フラット35の借入基準】

申込時の年齢が満70歳未満(親子リレー返済を除く)

・日本国籍の人、永住許可を受けている。または特別永住者の人

年収に占める全ての借入金額(住宅ローンも含め)年間合計返済額の割合(総返済負担率)が、年収400万円未満の場合30%以下。400万円以上の場合35%以下

※返済負担率とは

年収400万円の場合返済負担率35%とすると、年間140万円を超える返済額になるようなローンは組めないという意味です。

また、すべての借入とは、住宅ローンの他、自動車ローンや、教育ローン、クレジットカードのキャッシング、商品の分割払いやリボ払いなどの購入を全て含みますので、借入額を増やしたいときはこれらのローンを終わらせておく必要があります。住宅ローン審査で落ちた時の理由などは教えてくれず、その他のローンがあったからダメでした・・とは教えてくれません。

【親子リレー返済とは】(高齢で住宅ローンに申し込む場合)

次のすべての要件にあてはまる方を住宅ローンの後継者とする場合は、満70歳以上の方でも申込ことができる。

また、お申し込みご本人の年齢にかかわらず、後継者のお申し込み時の年齢を基にお借入期間を選ぶことができる。

〈例〉申し込み時に、申し込みご本人が60歳3か月、後継者が30歳3か月の場合

・親子リレー返済を利用しない場合のお借入期間:79歳-61歳=19年
親子リレー返済を利用する場合のお借入期間:79歳-31歳=49年
→ 35年(最長)

【親子リレー返済の後継者の要件(次の1から3までのすべての要件を満たす)】

  1. 申し込み本人の子・孫等(申し込み本人の直系卑属)またはその配偶者で定期的収入のある方
  2. 申し込み時の年齢が満70歳未満の方
  3. 連帯債務者になることができる方(1名のみとなります。

フラット35の物件基準

  • 土地面積に関しては、条件はありません。
  • 住宅床面積一戸建ての場合は70㎡以上、共同住宅(マンション等)の場合は専有面積が30㎡以上。ともに下限はあるが、上限はない。
  • 住宅の耐久性などについて住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合している。
  • 一戸建て住宅の場合、竣工時に建築基準法に定める検査済証が交付されている。
  • 店舗付き住宅等の場合は住宅部分の床面積が、店舗や事務所部分よりも大きい事

【新築住宅の場合の住宅ローンが利用できる基準】

  • 建設費または購入価額が1億円以下(消費税を含む)
  • 申込時点で竣工から2年以内の住宅で、人が住んだことが無い住宅

【中古住宅の場合の住宅ローンが利用できる基準】

  • 購入価額が1億円以下(消費税含む)
  • 申込時点で竣工から2年を超えている住宅か、人が住んだことがある住宅

※建築確認日が昭和56年5月31日(建築確認日が確認できない場合にあっては、新築年月日(表示登記における新築時期)が昭和58年3月31日)以前の場合、機構の定める耐震評価基準等に適合していることを確認する必要があります。

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Skitterphoto / Pixabay

フラット35の借り入れ上限

100万円以上8,000万円以下(1万円単位)で、建設費または購入価額(非住宅部分に関するものを除きます。)が最大借入可能額です。

建設費・・・建設する住宅の請負契約書に記載された請負金額(消費税含む)

購入価額・・・売買契約書に記載された売買金額(消費税含む)

フラット35の返済期間

次の①、②の短い方の期間内

①15年以上35年以内(ただし申込人の年齢が60歳以上の場合は10年以上)

②完済時の年齢が80歳となるまでの年数(申込時年齢は1年未満切り上げ)

フラット35の適用金利

全期間固定金利です!

返済期間15年~20年21年~35年
金利の範囲(取り扱い金融機関で異なります)年1.050%~年1.810%年1.110%~年1.870%
最頻金利1.050%1.110%

フラット35利用の注意点

住宅ローン利用の際の保証料は住宅ローンとは別に毎年年払いでの負担となります。

住宅ローンのほかに費用がかかる他、団体信用生命保険料は別途支払いになる。

通常の民間の住宅ローンよりも諸費用が高くなるのでその分も含めて比較をしないと借入金額では得したつもりでも、総支払額で損をしていることがあります。

フラット35保証型に注目

通常のフラット35は買取型と呼ばれている商品が普通ですが、保証型というものが再度販売を開始しています。

違いを詳しく説明すると難しいので割愛をしますがさらに0.1%低い金額で利用できる商品があります。

ただ、こちらは一定の企業から新規で住宅購入、建設をしたときのみ利用できるサービスとなっています。

また、頭金を20%以上用意しておく必要があることも要件となりますので注意が必要です。

中古住宅、リフォームでも利用できるフラット35

中古住宅、リフォームではフラット35リノベという商品があります。

要件はもろもろ確認をする必要がありますが、低金利な今のうちに全期間固定金利のフラット35を検討してみてはいかがでしょうか。

返済方法

元利均等方式、元金均等方式

担保

借入の対象となる物件に、住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定する必要がある。住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定しなければならない。

保証料、繰り上げ返済手数料

なし

繰り上げ返済最低金額は「住・My・Note」を利用したインターネットサービスを利用の時は、10万円以上。窓口を利用する場合は100万円以上。

団体信用生命保険、火災保険の加入

団体信用生命保険、火災保険ともに任意で加入することになります。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP