熱中症に保険は適用されるか?

熱中症に保険は適用されるか?

熱中症はならないには越したことはありませんが、熱中症で入院、通院した場合、意外とカバーする保険が少ないことに注意が必要です。

まず、保険を

公的な健康保険

民間の医療保険、傷害保険の

2つに分類してそれぞれ見ていきましょう。

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熱中症は健康保険は対象になるか?

健康保険は公的な保険で要するに病院にいって健康保険証を提出して3割負担になるかならないかです。

これは処置や入院、通院ともに参考になります。

お子様の熱中症のような場合は市町村の制度によって、3割負担以下で済むこともあります。

では民間の保険・・医療保険や傷害保険はどうでしょうか?

傷害保険と医療保険の違い

傷害保険は「ケガ」によって入院通院した場合に手術費用なり入院、通院費用が支払われます。

医療保険は「ケガ、病気」によって手術、入院費用を払います。(一部手術後の通院費用を支払う会社やがんを原因とする通院を払うものがあります)

何が違うのかというと特約をつけない限りは傷害保険はケガによる手術、入院、通院しか支払いません。

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熱中症はケガか??

唐突ですが、こんな質問です。熱中症はケガでしょうか?

傷害保険の給付の要件として「急激」、「偶然」、「外来」な出来事によるケガである必要があります。

難しい表現になりますが、ニュアンスだけご理解ください。

「急激」

突発的に発生し、ケガの原因が徐々に発生するのではなく、原因となった事故と結果の間に時間的間隔がほぼないこと。
※靴ずれ、車酔いなどは原因と結果の間に時間があり、徐々になっていくものなので対象外という意味です。

「偶然」

原因の発生が偶然、結果の発生が偶然、原因と結果ともに偶然であること
当然、わざとケガをする人もいませんが、わざとはダメですよということです。

またケンカや闘争行為によるケガもわざとに近いものがあり、傷害保険の給付の対象にはなりません。

「外来」

ケガの原因が身体の外からの作用によるもの
急激な発作などは身体の内部からの作用であり、傷害保険の対象にはなりません。

で、熱中症は・・というともうお分かりとは思いますが、ケガとは認められません。急激、偶然、外来にも該当しません。一部例外があるので後述します!

医療保険ではどうか?

傷害保険では出ないことが分かりました。

では医療保険は出るのか?という点ですが、結論から言うと入院費用がもらえるのみと考えたほうがいいでしょう。

熱中症が重度で入院や処置が必要な場合、その費用は2、3日の入院で10万程度になります(初診料、処置費用、入院費用)。
医療保険でカバーをするのは、手術費用、入院費用、(一部の保険会社で手術の通院費用)ですので、このうち支払われるのは入院費用だけになります(処置費用、初診料は対象外)。

入院費用もどのような医療保険に加入しているかで、全額カバーできない可能性もあります。

熱中症は傷害保険の特約でカバーできますが・・

保険会社によっては傷害保険の特約で熱中症特約を付けることができます。

毎月20円か30円程度でつけることが可能です。

心配な方は自身の加入の傷害保険に熱中症特約を付けておくとよいでしょう。

と言いたいところですが、制約が多く、大学入学前のお子様までしかこの特約に加入できない等の要件がある場合がほとんどです。

もっとわかりやすくいうと、いい大人なんだから暑いところにいたら熱中症になる危険性があることはわかるでしょ。

大人は熱中症には自分で気をつけなさい。保険は若年しか見ませんよ。。ということになります。

レクリエーション保険なども要注意です

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暑い夏、学童や各地でお祭りイベントなど多く開催されると思います。

レクリエーション主催者が参加者がケガをした場合の入院や手術費用を賄うレクリエーション保険がありますが、熱中症で参加者が入院したような場合は保険でカバーすることはできません。

参加者の熱中症は免責。なのです。

2019年6月現在、レクリエーション保険は熱中症も保険でカバーできるようになっています。保険料もさほど変わりません。

レクリエーション賠償保険という選択肢

レクリエーション主催者が加入する保険として、賠償責任保険という選択肢があります。

これは参加者から主催者が賠償責任を追及されたときに支払う保険になります。
熱中症の場合は、参加者が熱中症で入院となった際、その保護者などが主催者に熱中症に対して必要な対応を怠っていた。

として賠償責任を追及された場合は給付されることがあります。
賠償責任保険は給付の要件は非常に広いですが、主催者が必要な措置を怠ってなかった、と判断されれば賠償責任を追及することはできず、結果給付とならないなど、ケースバイケースのところがあります。

熱中症は保険でカバーするのは非常に選択肢が少ないので、保護者やイベント、団体主催者は予防策に重点を置くこと。仮に何か保険で準備ということであれば、前段のような対策が考えられる。というお話でした。

熱中症は保険で出るか結論

公的な保険、健康保険はOK

民間の保険は入院すれば医療保険の入院代はOK

傷害保険は熱中症特約をつけられる会社があればOK,基本は保険は出ません。

学校や会社のイベントであれば、主催者に訴えれば見舞金などはもらえるかも知れません。

イベントなどで一時的に開催するときの保険、レクリエーション保険は熱中症も保険でカバーできるように特約をつけることができるようになっています。不安であれば、さほど特約保険料も高くないので検討してみましょう。

しかし、ケースバイケースであり、保険の給付は期待しない方が良いです。