要介護1以下相当でも介護休業給付金が受けられるケース|2017年1月から要件が緩和されます

要介護1以下相当でも介護休業給付金が受けられるケース|2017年1月から要件が緩和されます

今回の介護休業給付金の改正点は最後に掲載して有ります。

介護休業給付とは

働く人が家族の介護のために休みを取りながら一定の給付を受けられる制度です。

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介護休業給付金の支給要件

被保険者が以下の要件に当てはまる場合に支給されます

①対象家族を介護するための休業であること

家族とは・・・配偶者、父母、同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫をさします。
全然関係ない隣近所の人を介護して、給付金が受取れるかというともちろんダメです。
というわけでこのような制限があります。

※この祖父母、兄弟姉妹の同居要件も後ほど述べますが改訂予定です。

②休業を開始した日前2年間みなし被保険者期間が通算して12カ月以上あること

表記の通りです。しかしみなし被保険者期間を算定する2年間の間に病気なので引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった場合はその日数を加えることができます。(最大で4年間という期間で判断することが可能です。)

会社に入っていすぐに介護休業給付金が受取れたら、介護状態の親族がいたらすぐにどこでもいいから給与の高い会社にはいって、休業してしまえとなってしまいいますから当然このような期間は必要です。

③介護期間中に支給された賃金の額が休業開始賃金日額に支給日数を乗じて得た額の80%未満であること

休業開始賃金日額や給付額の計算方法に関してはこちらをご覧ください。

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介護休業給付の給付期間

原則同一家族に一人につき93日間です。といえば簡単ですが、こんなケースは?

母親の面倒をみて要介護2で介護休業給付をうけていたが50日後に復帰。さらに再度要介護になった場合はことなった要介護状態になった場合に残りの期間93日ー50日間で43日介護休業給付を受けることができます。

こちらについても同様の介護状態で2017年1月から3段階まで分割取得することが可能になります。

またかりに休業期間中に出勤したとしても土日含め20日以上休業が認められば、介護休業給付金は受取ることができます。

介護をする人がどんな状態でも介護休業給付を受けることができるわけではありません。以下が従来の要件です。

  1.  第1表の事項欄の歩行、排泄、食事、入浴及び着脱衣の5項目のうち、全部介助が1項目以上及び一部介助が2項目以上あり、かつ、その状態が継続すると認められること。
  2.  第2表の行動欄の攻撃的行為、自傷行為、火の扱い、徘徊、不穏興奮、不潔行為及び失禁の7項目のうちいずれか1項目以上が重度又は中度に該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。

第1表

事項\態様1 自分で可2 一部介助3 全部介助
イ 歩行・杖等を使用し、かつ、時間がかかっても自分で歩ける・付添いが手や肩を貸せば歩ける・歩行不可能
ロ 排泄・自分で昼夜とも便所でできる
・自分で昼は便所、夜は簡易便器を使ってできる
・介助があれば簡易便器でできる
・夜間はおむつを使用している
・常時おむつを使用している
ハ 食事・スプーン等を使用すれば自分で食事ができる・スプーン等を使用し、一部介助すれば食事ができる・臥床のままで食べさせなければ食事ができない
ニ 入浴・自分で入浴でき、洗える・自分で入浴できるが、洗うときだけ介助を要する
・浴槽の出入りに介助を要する
・自分でできないので全て介助しなければならない
・特殊浴槽を使っている
・清拭を行っている
ホ 着脱衣・自分で着脱ができる・手を貸せば、着脱できる・自分でできないので全て介助しなければならない

※厚生労働省HPより抜粋

第2表

行動\程度重度中度軽度
イ 攻撃的行為・人に暴力をふるう・乱暴なふるまいを行う・攻撃的な言動を吐く
ロ 自傷行為・自殺を図る・自分の体を傷つける・自分の衣服を裂く、破く
ハ 火の扱い・火を常にもてあそぶ・火の不始末が時々ある・火の不始末をすることがある
ニ 徘徊・屋外をあてもなく歩きまわる・家中をあてもなく歩きまわる・ときどき部屋内でうろうろする
ホ 不穏興奮・いつも興奮している・しばしば興奮し騒ぎたてる・ときには興奮し騒ぎたてる
ヘ 不潔行為・糞尿をもてあそぶ・場所をかまわず放尿、排便をする・衣服等を汚す
ト 失禁・常に失禁する・時々失禁する・誘導すれば自分でトイレに行く

※厚生労働省HPより抜粋

介護保険制度上の「要介護状態」とは給付の要件が異なることに注意です。しかしこの内容を見る限り実質、要介護2から3の状態以上となった家族を介護する場合に介護休業給付の要件に当てはまると考えられます。でも要介護2から3くらいならという基準なんだかあいまいで分かりにくいですよね。休業給付を受ける側としては一生懸命ですからね。

今回の改正・少なくとも要介護2に該当すれば介護休業給付を受けられるということを明記・要介護1以下であっても見守りが必要な場合は休みが取れるケースができる。・祖父母や兄弟姉妹の家族の同居要件をなくす・同一の介護要件でも3回まで分割取得が可能となります

などの見直しが行われ、介護での離職を少しでも減らそうという動きにさらに加速がかかっています。

介護休業給付の金額についてはこちらを参考にしてください。