配偶者控除の拡大がついに決定、消費税増税(10%)は2019年10月~

配偶者控除の拡大がついに決定、消費税増税(10%)は2019年10月~

2016年12月8日、与党はいよいよ2017年度税制改正大綱を決定しました。

配偶者控除は従来の103万円から150万円に拡充されました

具体的な配偶者控除のしくみと計算方法はこちらをご覧ください。

ようするにパートで働いている配偶者は103万円で調整せず、もっと働いてください。ということを言いたい法案のように思えます。ただ、今年の10月に以下のすべての要件を満たした人は年収106万を超えると扶養に入れなくなりました。

①勤務時間が週20時間以上
②1カ月の賃金が88,000円で通勤費込では年収106万円以上
③勤務期間が1年以上の予定
④勤務先が従業員501人以上の企業に勤務している
⑤学生以外

ご主人がサラリーマンで奥さまがパートだった場合のケース

これまではパート収入が103万円を超えたら、ご主人の配偶者控除が控除されなくなり、ご主人の税負担が増えることになるというものでした。これが150万円になったのです。
ところがじゃあ頑張って働こう!と思ったとします。

ところが今年の10月に上記の法案が導入されました。

収入が106万円を超え、なおかつ上記①~⑤を満たしている場合には今度はご主人の扶養から外れてしまうのです。

扶養から外れるとどうなるかというと、毎月の給料から社会保険料(厚生年金保険料と健康保険料)が差し引かれるようになってしまいます。
扶養に入っているうちは、奥さまとご主人の社会保険料はご主人の給料とお勤めの会社で折半をして一緒に支払ってくれていたのです。106万を超えるとご主人もこれまでと同じく差し引かれ、さらに奥さまの給与から社会保険料が差し引かれてしまうのです。
単純に奥さまご自身の給料から社会保険料がひかれるので、その時の手取りという点では今までより少なくなってしまいます。(将来的に受け取るう年金は増えるという先々のメリットはあります。)
これが今までは106万ではなく130万円でした。

106万円未満で抑えるということは月収でいえば88000円とちょっとに抑える必要があります。
88000円×健康保険料約10%(県によって異なります)で8800円/月
これが従業員と企業折半なのでみなさんの負担は4400円/月です

そして厚生年金保険料は18.182%(平成28年10月支給より)
88000×18.182%=16000円/月
従業員と労使折半なので8000円/月の負担

健康保険と厚生年金保険料をたすと
4400円+8000円=12400円/月

これを今は払わなくて良くなっているわけです。

しかし頑張って10万円/月稼ぐぞ!!と思い立っていたとします。

月収10万で上記の計算をもう一度当てはめると

10万×10%/2=5000円
10万×18.182%/2=約9000円
たして14000円。
88000円では社会保険の負担がなかったのに10万円になった途端に社会保険の負担が発生し、もっと働いたのに手取りへっとるやんけ!!となってしまうわけです。
ちなみに10万-14000円=86,000円

それなら月収88000円に抑えようと思うのは当然のところです。

厚生年金保険料と健康保険料を合わせてメリットが出るようにするためには年収150万円がボーダーラインになります。
しかし、、実際にパートをしている方にとって150万円というのはかなりのハードワークなのではないでしょうか?

はたしてこれで女性働く時間が増えるかどうかは私ははなはだ疑問であります。

そして、消費税が2019年から10%になることが可決しましたね。
そのほかの税制大綱の要点についてはまた後日記載いたします。