学資保険(子ども保険)ファイナンシャルプランナー視点の考え方

学資保険(子ども保険)ファイナンシャルプランナー視点の考え方

学資保険(子ども保険)ファイナンシャルプランナー視点の考え方

学資保険とは子どもの教育費等に備える保険です。

子ども保険という人もいます。

学資保険とは子どもが生まれると中学校、高校、大学への進学に伴う入学金や授業料等が気になる時期に、

その時期に合わせて給付金としてお金が受け取れることができる保険です。

必ずしも教育費は学資保険で用意する必要もありませんし、今はなかなか昔ほど払った金額よりも上回る資産価値のある学資保険があまり世の中に存在しません。

ということで学資保険をメインにその他の選択肢も含めたFP(ファイナンシャルプランナー)的視点でお伝えしていきたいと思います。

奨学金で準備ができると思う人もいるかも知れませんが、奨学金はあくまでもお金を借りるということになります。

また、奨学金はあくまでも入学後に受け取れるものなので入学前のお金(入学金も含む)は自助努力で貯金やそのほかの積立で用意する必要があります。

学資保険(子ども保険)の特徴

学資保険(子ども保険)の特徴3つ

・出産前から加入できる商品もあり、保険期間中に受け取れる給付金の受け取る時期もある程度選択できます。

・子供や親に万が一のことがあった場合に、保険金や病気やケガで入院をした際の給付金が受け取れるものがあります。

・学資保険の契約者が万が一亡くなった場合には、それ以降の保険料が免除される。

White77 / Pixabay

育英年金というプラスの特約があります

これは保険契約者(一般的には親)が亡くなってしまった日から保険期間満了まで被保険者(子ども)に年金として一定額が支払われるというものです。

学資保険(子ども保険)でいう返戻率とは

返戻率とは

支払った金額の合計に対して、最終的にいくら受け取れるか?を表します

返戻率の計算方法

20年間かけて払ってきた保険料が100万円、

そして満期などで解約して受取れるお金が110万円だったとしたら

110万÷100万=1.1×100=110%

この場合、返戻率は110%です。

100万円払って満期等で解約したら95万円受取った場合は

返戻率は95万÷100万=0.95×100=95%

返戻率は95%になります。

返戻率が100%を超えれば払った金額より受取った金額の方が多い

返戻率が100%未満なら払った金額の方が多いということになります。

学資保険は祝い金という形で何度かに分けて受取ることが多いので、

祝い金を全部足した金額と払い込んだ金額で計算します。

積立なら普通の終身保険でもいいんじゃないの?

終身保険も保険でありながら貯蓄の効果があります。しかし終身保険は学資保険のように、中学入学時にいくら、高校卒業時、大学にいくらという受け取り方はできません。無理やりそのように設計することは可能ですが、学資保険のほうがシンプルでわかりやすいです。

学資保険と終身保険どちらがいい??

ijmaki / Pixabay

ただし、高校や大学の入学資金として「1度だけ」大きなお金を用意したいという時だけ、

この終身保険での準備は有効と考えます。

保険会社の内情をいうと、学資保険というのは儲かりません。

学資保険とはみなさんと接触をまず図るためのドアノックツールとして使う時が多いです。

学資保険でまずはお知り合いになって、ご両親と今後機会があればその他の保険の話をゆっくりしましょうね。という性質があります。

それに比べて、終身保険は学資保険より保険会社の営業に対しての手数料が多い傾向があります。

そんなウラ事情もありますので、

あまり終身保険を強くおすすめする営業にはちょっと注意をした方がいいですね。

前述した一度だけ大きな給付を受けたいということでない限り、通常の学資保険の選択をおすすめします。

終身保険、学資保険いずれも途中でやめるともったいないなど、

お金の流動性は貯蓄と比べると低いのはどちらも同じです。

流動性が低いとは思いついた時に引き出せない。または引き出すとデメリットが大きいということです。

昔ほどのメリットがない

以前は払った金額より、受け取れる金額の方が多いので学資保険はメリットがありましたが、

マイナス金利の影響を受け、今は払った金額と受け取る金額はほとんど変わらないか、

それ以下になりかつてのメリットはありません。

ただ、一部まだ払い込んだ金額よりも多くもらえる商品があるようです。

これまで子供が生まれたらとりあえず学資保険というイメージがありましたが、今はそんな環境からジュニアNISAやその他の積立方法(外貨建て保険)等も検討する方が今は多いようです。

金子賢司

この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー金子 賢司

これまで1000件以上の家計、住宅ローン、生命保険、損害保険、資産運用の相談に携わる。UHBなどのテレビのコメンテーターや確定拠出年金等のセミナーを毎年約50回実施。CFP資格保有者。TLC(生命保険協会認定FP(TLC資格とは))、損害保険トータルプランナー公式HP