イギリスEU離脱の影響がまだまだ続く。円高、ポンド安が止まらない。

イギリスEU離脱の影響がまだまだ続く。円高、ポンド安が止まらない。

イギリスのEU離脱の後、ニュースなどであまり取り上げられなくなりましたが世界的な金融不安に見舞われる可能性を非常にはらんでいます。

イギリスの通貨ポンドの下落が止まらず、31年ぶりの安値を更新しています。

発表時に加えて市場は落ち着きを取り戻した感があるように見えたり、落ち着きを取り戻した、、なんていう報道も見かけますがまだまだ不安は消えてません。

理由①欧州中心に不動産価格の下落に伴い銀行株全体も低迷

EU全体で取引をするために、イギリスに支店などを設けていた企業が、イギリスのEU離脱に伴いイギリス国内に支店や企業を作るメリットが無くなります。イギリスは島国でEUから離れているためです。

ブレグジット

支店や工場などをイギリスで作ろうとしていた企業がイギリス国内に存在するメリットがなく、その拠点をEU域内に移そうという動きが出始めたり、イギリスで支店や店舗を作ろうと思っていた計画取りやめになったりしています。

もともとイギリスのとりわけロンドンは金融センターという位置づけにあり、もともとバブルの最中に有りました。

その中でブレグジット(イギリスのEU離脱)によって、とくに金融機関などが英国外に拠点を移す動きが加速し始め、不動産価格が下落していくという流れになっているのです。

フランスがイギリスから拠点を移す企業の誘致に動き出していますね。

不動産ファンドはこれ以上不動産価格が下落することが無いよう、ファンドの解約を中止。イギリスの不動産ファンド市場の5割強が凍結されたといわれています。

不動産の流動性が無くなれば、不動産を持っている人はすぐに売ることができずさらに価値が低下します。日本のかつてのバブルのような事態を引き起こす可能性があるということで、欧州全体の銀行の株価も下落しています。

理由②イタリアの不良債権問題

EU離脱に伴い欧州全体の先行き不透明感が強まり、不良債権処理にあえいでいたイタリアの状態に注目が集まり始めました。EU全体がこんなに大変な状況なのにそういえば不良債権たくさんもってるイタリアさん大丈夫なの??

ということであまり知られていなかったイタリアの不良債権処理の遅れがクローズアップされてしまっているのです。

株価

イタリアは不良債権処理のために公的資金を注入したいのですが、EUのルールに縛られて独自で公的資金の注入をすることができないのです。中小企業向けの融資が多いイタリアは、そのような不満が蓄積されて、イギリスに続いてEU離脱を求める声が出始めてもおかしくない状況になっているのです。

そのことが、さらに金融不安を増大させ、欧州の主要的な経済指数FTSEなども軒並み下落をしています。

世界の金融不安を引き起こす要素が満載で非常に予断を許さない状態が続いています。

ひいてはこのような欧州の不安を危惧し、安全資産といわれる日本円の買いが集中し円高となり、円高は日本の企業に比較的マイナスの影響を与えるため日本の株価や企業業績にも影響を与えているのです。

ブレグジットに伴う影響はあまりテレビでは報道されなくなりましたがまだまだこれからです。